かつて優秀な中学生の進路といえば、地域の伝統ある公立トップ校から東京大学や京都大学を目指すのが王道ルートだった。しかし、その潮流に明らかな変化が起きている。受験のための暗記学習に3年間を費やすよりも、15歳から専門領域に没頭できる環境を選ぶ10代が増加しているのだ。
明石高専の入試倍率と志願者の学力水準はここ数年で急上昇を見せている。特に電気情報工学科や機械工学科には、模試で偏差値70以上を叩き出す層が当たり前のように出願してくる。ある現役学生は「大学受験のための勉強は退屈に見えた。自分は早く自分の手でロボットを動かしたかったし、コードを書いて社会に使われるサービスを作りたかった」と語る。自分の興味関心を先送りせず、10代の最も吸収力の高い時期を実験と試作に捧げられる環境こそが、彼らを引き寄せる最大の磁力となっている。