インターネット上や一部のゴシップ記事では、二人の親密さから「かつて恋人関係だったのではないか」「同性愛的な交際があったのか」という疑問が頻繁に囁かれます。しかし、美輪自身の自著や生前のインタビューにおける証言を精査すると、二人の関係は肉体的な交わりを伴う俗世の「恋人」とは決定的に異なる次元にありました。
美輪は三島との関係について、「私たちは肉体関係を持ったことは一度もありません。そんな下品なことをしていたら、これほど永く精神的な関係は続きませんでした」と明確に語っています。二人の間には、互いの領域を侵さない厳格な「心理的バウンダリー(境界線)」が存在していました。
三島は美輪を「美の具現者」「地上の天上界」として敬愛し、美輪は三島を「類まれなる頭脳を持ちながら、あまりに純粋で脆い魂の持ち主」として見守っていました。肉欲を超えた美学の共鳴者であり、知性で結ばれたプラトニックな共犯者であったことこそが、二人の真の関係性です。