この「kinki」という響きがもたらす風評被害に最も正面から向き合い、抜本的な改革を断行したのが学校法人近畿大学です。かつて同大学の英文名称は「KINKI UNIVERSITY」と表記されていましたが、海外の学術交流や留学の現場では長年、深刻な問題が生じていました。
関係者の証言や当時の広報発表資料によると、国際会議に出席した同大学の教授陣が「I am from Kinki University.」と自己紹介するたびに、会場から失笑が漏れたり、外国人研究者から「変態大学とはユニークな名前だ」とからかわれたりする事態が常態化していました。さらに、米国や欧州の提携校を探す際や、外国人留学生を募集する局面においても、「大学名が不適切で願書を出しにくい」「家族に留学先を説明できない」という致命的なデメリットが生じていたのです。
こうした状況を打破するため、近畿大学は2016年4月の「国際学部」開設を契機として、英文名称を「Kinki University」から親しみやすい略称を用いた「KINDAI UNIVERSITY」へと正式に変更しました。当時の理事長や学長が記者会見で「英語圏で誤解を招く表記を改め、世界で真に通用するグローバル大学を目指す」と明言したこの決断は、国内外のメディアで大きなニュースとして報じられました。
改名から節目を迎えた現在、近畿大学の国際戦略は大成功を収めたと評価されています。英文名称を「KINDAI」へ統一したことで、学術論文の引用における機関名表記がスムーズになり、留学生受入数も順調に拡大。THE世界大学ランキングをはじめとする国際指標でも存在感を高め、ブランドイメージの向上に決定的な役割を果たしました。