日本の政治史を振り返ると、内閣総理大臣の出身校は東京大学が圧倒的多数を占め、私立では早稲田大学や慶應義塾大学がそれに続きます。その中で、安倍氏の学歴は歴代首相の中でも極めてユニークな立ち位置にありました。
成蹊大学法学部の偏差値は一般的に55〜60前後の私立中堅・上位グループに位置づけられます。「東大閥」が支配する霞が関の官僚組織を相手にリーダーシップを発揮できるのか、就任当初は疑問視する声も一部にありました。しかし、結果として安倍政権は歴代最長の安定政権を築き上げることになります。
学歴エリート特有の机上の空論に囚われず、国民目線に近い感覚を持ち続けたこと、官僚の論理に呑み込まれず独自の政治主導(内閣人事局の設置など)を貫けた背景には、この「東大・早慶閥の外にいた」という出自がプラスに働いたという分析が政治ジャーナリズムでも定説となっています。