魚偏に「圭」と書く「鮭」。この独特な組み合わせの由来には、いくつかの魅力的な説が存在する。漢字の偏である「魚」は明白だが、問題はつくりの「圭」だ。「圭」という字は、古代中国において神事や朝廷の儀式で使われた玉器(てんぎょく)を指し、三角に尖った土をきれいに重ね合わせた形を表している。
この「尖ったものが規律正しく並ぶ」という意味合いが、秋になると川を遡上する鮭の群れと重なったという見方が有力だ。川を埋め尽くすように三角の背びれを覗かせ、一定の時期に規則正しく生まれた川へと戻ってくる。その生態的な特徴を見事に捉え、魚偏に「圭」をあてがったという解釈である。また、「圭」には「すっきりとして美しい」「規律がある」といった意味も含まれており、整った姿形を持つ美しい魚という称賛が込められているとも言われる。