日本におけるフィギュアスケート人気を決定づけた二大巨頭といえば、間違いなく浅田真央と羽生結弦である。浅田真央の現役時代、トリプルアクセルへの挑戦を巡る審判の厳しすぎる認定基準に対して、掲示板では連日連夜の抗議運動に近い議論が巻き起こった。メディアが報じる親しみやすいアイドル像とは異なり、アスリートとして過酷な判定と戦い続けた彼女の苦悩を、ネットファンは誰よりも敏感に察知していた。
続いて登場した羽生結弦の時代になると、熱狂は世界規模へと拡大した。圧倒的な技術と芸術性の融合は絶賛されたが、同時にアンチと信者の対立も苛烈を極めた。彼のジャンプの踏み切り足の角度やエッジの深さ、さらにはアイスショーの単独開催に至るまで、すべての挙動が掲示板で秒単位で議論された。彼らが残した偉大な足跡は、ファンの目と耳を肥やし、ネット上の議論の解像度を劇的に引き上げた。