街全体が巨大な歴史の博物館と言っても過言ではありません。平成の世に日本遺産の認定を受けた丹波篠山市は、江戸時代の区割りがそのまま生き続けている稀有な地域です。武家屋敷が並ぶ西町や、妻入りの商家が軒を連ねる河原町の町並みは、気ままな城下町散策にうってつけの舞台となります。
中心部から少し足を延ばした先には、日本六古窯の一つに数えられる丹波焼(立杭焼)の郷が広がります。800年を超える伝統を今に伝える登り窯からは、現代もなお職人たちの手によって薪の煙が立ち上っています。飾らない素朴さと、使えば使うほど手に馴染む温かい質感を備えた器たち。窯元を巡り、自分だけのお気に入りの一枚を探し出す時間は、旅の満足度を何倍にも引き上げてくれます。