アンテナの向きを正すだけでWi-Fiの速度低下が劇的に改善する理由は、電波の受信強度(RSSI)が向上し、変調方式がより高速なプロトコルへ自動シフトするためです。Wi-Fi通信は、電波強度が十分であれば一度に大量のデータを送れる高効率モードで接続されますが、強度が落ちると通信の切断を防ぐために低速なモードへ自動的にフォールバックします。つまり、アンテナ調整で電波強度を一定以上保つことが、速度低下を根本から断ち切るスイッチとなります。
ここで理解しておきたいのが、外付けアンテナと内蔵アンテナの違いです。内蔵型はインテリアに溶け込み全方位へバランスよく電波を飛ばす反面、特定の部屋や上下階へ電波を集中させる微調整ができません。一方の外付け型は、環境に合わせて電波の指向性を物理的にカスタマイズできる自由度を備えています。
さらに見逃せないのがビームフォーミング設定の存在です。対応端末の位置をルーターが自動判別して電波を集中的に照射するこの機能を有効にしておくと、アンテナの物理調整との相乗効果によって、壁などの遮蔽物がある部屋でも通信品質が一段と強固になります。ルーターの管理画面からビームフォーミングが有効になっているか、この機会に再確認しておきましょう。