技術の進展は防災にとどまらない。生物学者や気象学者たちは、この極小機体を野生動物の生態調査や都市のヒートアイランド現象の局所解析に活用し始めている。鳥類や昆虫に無用な警戒感を与えずに近づけるため、これまで取得不可能だった高精度な生態データの収集が可能になった。
今年5月、新宿御苑および代々木公園周辺で行われた観測調査では、都市部の微気候が極小エリアごとにどのように変動しているかが詳細にマッピングされた。樹木群が創り出す微細な冷気流のルートが可視化されたことで、都市緑化計画の最適化や熱中症対策の新たな指針が得られつつある。