大震災直後の極限状態において、インターネット掲示板や立ち上がり期にあったTwitter(現X)上では、事実無根の「芸能人死亡説」が爆発的に流布しました。「人気漫画家が自宅で倒壊に巻き込まれた」「有名シンガーソングライターが仙台で消息を絶った」といった虚偽情報が次々とタイムラインを覆ったのです。
徹底したファクトチェックの結果、当時死亡説が囁かれた以下の著名人は、すべて生存が確認された完全な誤報であることが立証されています。
・尾田栄一郎氏(『ONE PIECE』原作者):
地震直後から安否を不安視する声が国内外で拡散し、「仕事場で被災して死亡した」というデマが英語圏にまで波及。数日後、関係者および集英社公式サイトより無事である旨のアナウンスが出され、完全な誤情報と確定しました。
・田村淳氏(ロンドンブーツ1号2号):
混乱のさなか、被災地支援に向かったという噂と混ざり合い、現地で事故に巻き込まれたとする虚偽の投稿がネット上に拡散。本人がSNS上で即座に健在を発信し、デマの火消しに奔走しました。
・佐々木希氏、多くの人気声優陣:
秋田出身の佐々木希氏をはじめ、東北にゆかりのあるタレントや、都内で連絡が一時取れなくなった声優陣に対して「死亡した」という悪質な書き込みが5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)等で乱発されましたが、すべて事実無根でした。
なぜ、このような無責任な死亡説が信じ込まれてしまったのでしょうか。社会心理学の観点から分析すると、災害時特有の「情報の真空地帯」が大きく影響しています。電話回線規制によって家族や友人とすら連絡が取れない中、人間は「最悪の事態」を想定して心の準備をしようとする防衛本能が働きます。その隙間に、不安を煽る愉快犯の投稿や、善意の伝言ゲームによる情報の歪みが入り込み、瞬く間にメガバズを起こしてしまったのです。