出頭を控えた方が最も懸念するのは、「警察署へ行ったらそのまま勾留されて帰宅できないのではないか」という点でしょう。しかし、刑事実務において出頭した人物が必ずしもその場で逮捕されるわけではありません。
警察が被疑者を逮捕するためには、裁判官が発付する逮捕状と「逮捕の必要性」が求められます。この必要性の核心となるのが、以下の2点です。
- 逃亡の恐れがあるか
- 罪証隠滅(証拠隠滅)の恐れがあるか
自ら警察署へ出頭する行為そのものが、「逃亡の意思がなく、捜査に協力的な姿勢」を示す強力な客観的証拠となります。そのため、殺人や強盗といった重大犯罪や現行犯逮捕に近い事案を除けば、取り調べや供述調書の作成を終えた後に「在宅事件」としてその日のうちにそのまま帰れるケースが多数を占めます。
ただし、被害者への口封じを企てている形跡がある場合や、所持品から別の重大な違法物品が発見された場合などは、出頭当日であっても緊急逮捕や通常逮捕へ切り替わるリスクがある点には注意が必要です。