DNAとセットで語られる物質に「RNA」があります。RNAの日本語名は「リボ核酸」、英語表記はribonucleic acidです。
両者の名前を見比べると、DNA(deoxyribonucleic acid)から「de-oxy(脱酸素)」が取れた形がRNAであることが一目で分かります。この命名の背景には、生化学的な決定的な違いが存在します。
DNAとRNAの主な相違点:
- 含まれる糖の違い:DNAを構成する糖は「デオキシリボース(C5H10O4)」ですが、RNAを構成する糖は酸素が1つ多い「リボース(C5H10O5)」です。
- 立体構造の違い:DNAは2本の鎖がねじれ合った二重らせん構造(double helix structure)をとるのに対し、RNAは基本的に一本鎖(single strand)で存在します。
- 塩基の種類の違い:DNAを構成する4つの塩基はアデニン(A)・チミン(T)・グアニン(G)・シトシン(C)ですが、RNAではチミン(T)の代わりにウラシル(U)が使われます。
- 生体内での役割:DNAは遺伝情報を半永久的に保存する「マスターデータ」であるのに対し、RNAはタンパク質合成の現場で情報を伝達・翻訳する「一時的な作業用コピー」として機能します。
名称の「deoxy」というわずか5文字の接頭辞に、酸素原子が1つ少ないという分子構造の核心がそのまま反映されています。