北米大陸を覆う広大なスモッグの影は、遥か遠く離れた日本列島にも届いている。気象庁の超高精度環境衛星が捉えた画像には、偏西風に乗って太平洋を横断する微小粒子状物質(PM2.5)の帯がはっきりと映し出されていた。
春先から初夏にかけて、日本の高層大気中では例年以上の微粒子濃度が観測される日が増加している。東京都内の環境研究所の研究員は、「黄砂の飛来時期と重なることで、呼吸器系への負担が増すリスクがある」と懸念を表明した。カナダの炎は、すでに遠い国の他人事ではなく、私たちの吸う空気そのものを揺るがす問題なのだ。