会見直前の動きとしてクローズアップされたのが、G7公式日程の合間に行われた関係者との昼食会でした。この席には、中川氏と親密な取材関係にあった越前谷知子 読売新聞経済部記者(当時)をはじめ、ブルームバーグの記者や財務省の幹部官僚ら計数名が同席者として同席していました。
報道各社の取材データや当時の関係者証言によると、この昼食会で中川氏がどの程度の酒量を口にしたかについて、証言に食い違いが生じています。「乾杯のワインを一口なめた程度」という証言がある一方で、「複数杯のグラスを空けていた」とする見方もあり、真相の解明を複雑にしました。官僚や親しい記者が同席していながら、なぜあのような朦朧状態で国際会見の場に登壇させてしまったのかという「周囲の危機管理責任」も厳しく問われました。
さらに会見翌日、中川氏が私的に訪れたバチカン美術館 騒動が報じられます。「立ち入り禁止区域に侵入して展示物に触れ、警報器を鳴らした」とスキャンダラスに報道されました。しかし後日、同行していた通訳や関係者の詳細な記録により、案内された正規ルートを歩いていただけの一部誤報・誇張報道であったことが判明します。当時はすでに「泥酔した大臣の奇行」というナラティブがメディア内で出来上がっており、冷静な事実確認が後回しにされていた実態が浮き彫りになりました。