視点を経済活動に移すと、企業経営の領域でも「組織を有機体として捉える」潮流が決定的なものとなりつつある。中央集権的なピラミッド型組織が市場の変化スピードに追いつけなくなる中、各部門が自律的に判断し動き回るティール組織や自律分散型アプローチが台頭した。
一見すると無秩序に見える現場の自律的な動きが、全体として巨大な適応力を生み出す。トップダウンの命令体系ではなく、構成員一人ひとりが細胞のように機能しながら全体を駆動するこのビジネス構造こそ、現代企業が生き残るための隠された真相である。静止した機械ではなく、呼吸する生態系へと自らを作り替えた組織だけが、不確実性の高い市場を泳ぎ切ることができる。