画期的な飲料を生み出したものの、彼の生活が好転することはなかった。日に日に悪化するモルヒネ依存と重い医療費の負担は、彼の家計を容赦なく圧迫した。製品の将来性を確信しながらも、手元に資金がないという矛盾。彼は苦渋の決断を迫られる。
1888年、病床にあった彼は、事業家エイサ・キャンドラーをはじめとする投資家たちへ段階的に特許や製造権を切り売りしていった。彼がこの世を去った後、キャンドラーは残された権利を完全に集約し、今日のグローバル企業であるザ コカ・コーラ カンパニーの基礎を築き上げる。発明者の死と引き換えに、巨大ビジネスの歯車が急速に回り始めたのだ。