ウナギ資源を脅かすもう一つの巨大な要因が、高値で取引されるシラスウナギを巡る不透明な流通網だ。香港や台湾、中国本土を経由する複雑な取引ルートの中には、報告漏れや無許可漁獲による「闇のシラス」が相当数混入していると長年指摘されてきた。
この事態を打破すべく、2026年現在、水産庁および流通業界はブロックチェーン技術を用いたトレーサビリティシステムの導入を急速に進めている。各採捕者が採捕日・水域・数量を暗号化データとして登録し、養殖池から加工場、スーパーや飲食店の店頭に至るまで一元管理する仕組みだ。
個体群のDNA鑑定技術も現場レベルで活用されている。産地偽装や密輸品のアロンファファ(密流通品)を流通段階で即座に検知する体制が整いつつあり、長年放置されてきた不透明な市場構造にようやくメスが入り始めた。