福祉制度の利用において最も多くの保護者が混乱するのが、ひとり親家庭を支援する「児童扶養手当」と、障害児を支援する「特別児童扶養手当」の制度的相違です。 名前が酷似しているため「どちらか片方しか受給できない」と誤解されがちですが、児童扶養手当と特別児童扶養手当は併給可能(両方全額受給可能)です。前者は「ひとり親世帯の生活安定」、後者は「障害児の療育にかかる追加的費用の補填」を目的としており、法的な支給趣旨が完全に異なるためです。両方の要件を満たすシングルマザー・シングルファザーは、双方の手当を合算して受給できます。 申請手続きは、市区町村の障害福祉課や子育て支援課の窓口で行います。もらい忘れを防ぐための標準的な申請手続き 必要書類は次の通りです。
- 特別児童扶養手当認定請求書:自治体窓口で受取またはWebサイトから印刷。
- 所定様式の診断書:各自治体が指定する障害種別ごとの専用用紙(発行日からおおむね2カ月以内のもの)。指定の障害児手帳を所持している場合は省略できる例外規定あり。
- 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書):請求者と対象児童の身分関係を証明するもの(発行から1カ月以内)。
- 世帯全員の住民票の写し:マイナンバー連携により省略可能な自治体が増加中。
- 請求者名義の預金通帳・キャッシュカードのコピー:手当振込先。
- マイナンバー確認書類および本人確認書類:マイナンバーカード、運転免許証など。
さらに、受給開始後に忘れてはならないのが有期限認定(更新手続き)です。特別児童扶養手当は一度認定されたら20歳まで無条件に支給され続けるわけではありません。児童の成長に伴う状態変化を再確認するため、通常1年〜2年ごとの有期限認定が課されます。 更新年の8月頃(所得審査を行う「所得状況届」と同時期、または指定された更新月)に、改めて最新の診断書を提出しなければなりません。これを怠ったり、提出した診断書の記載が軽快していると判断された場合、手当の支給停止や等級の降格(1級から2級へ)が発生するため、更新時期の数カ月前から医療機関の予約を確保しておく段取りが欠かせません。