検索エンジンで「足立区南花畑」と入力すると、サジェストに「事件」「治安」といった不穏な単語が並び、不安を覚える方が少なくありません。かつて昭和から平成初期にかけてメディアでセンセーショナルに報じられた足立区全体の治安イメージが、令和の現在も尾を引いている側面は否定できません。しかし、南花畑という地域単体で見た場合、凶悪犯罪が頻発しているような客観的事実は存在しません。
警視庁が公表している区市町村別・町丁別の「刑法犯認知件数」の推移を検証すると、南花畑一丁目から五丁目における年間認知件数は極めて低水準に抑えられています。発生している事案の大部分は、施錠忘れの自転車盗や空き巣などの非侵入・侵入窃盗であり、路上強盗や通り魔といった凶悪犯は年間を通じてもほぼゼロに近い数値で推移しています。地元警察署によるパトロール強化に加え、足立区が推進してきた「ビューティフル・ウィンドウズ運動」(割れ窓理論に基づき、環境美化から犯罪を抑止する施策)が住宅街の隅々にまで浸透していることが功を奏しています。
過去にインターネット上の掲示板やSNSで取り沙汰された「事件」の多くは、近隣の環七通り沿いや繁華街周辺で起きた散発的な事故・トラブルが混同されたケースや、足立区内の他地域で発生した重大事件の記憶が曖昧に結びつけられたものです。夜間の現場を実際に歩行調査すると、大通りから一本入った住宅街は街灯が整然と整備され、静まり返った落ち着きを見せています。ただし、人通りが少なくなる深夜帯の細い路地では見通しの悪い区画も存在するため、防犯ブザーの携帯や明るい幹線道路ルートを選ぶといった基本的な自衛意識は持つべきでしょう。