欧米における木造建築のブームが「環境負荷の軽減」という合理主義に基づいているのに対し、日本の取り組みには深層心理的なバックボーンが存在する。古代より神社や住居を木で建て、神木を祀ってきた歴史的記憶だ。
「木は切り倒された後も生きている」と職人は言う。乾燥してなお伸縮し、香りを放ち、年月とともに色合いを深める。無機質なコンクリートやプラスチックに囲まれたデジタル疲れの現代人にとって、経年変化する木材の風合いは、自分自身が自然の一部であると思い出させてくれる貴重なアンカー(繋ぎ止めるもの)なのだ。伝統的な木組みの知恵と最新のデジタルファブリケーション技術が融合し、デザイン的にも世界を魅了している。