Back Number夏曲の真骨頂!高嶺の花子さんから隠れた名曲まで

Back Number夏曲の真骨頂!高嶺の花子さんから隠れた名曲まで

Back Number夏曲の真骨頂!高嶺の花子さんから隠れた名曲までの詳細解説を解説します。役立つ情報が詰まっています。

back numberの夏曲を語る上で避けて通れないのが、「高嶺の花子さん」と「わたがし」という対照的な2大名曲の存在です。この2曲には、日本のポピュラー音楽史上でも類を見ないほど緻密な男性心理のリアルな葛藤が刻まれています。

「高嶺の花子さん」:自虐と誇大妄想が交錯する圧倒的疾走感

2013年にリリースされた「高嶺の花子さん」は、蔦谷好位置氏のプロデュースによる華やかなブラスセクションと疾走感あふれるビートが特徴ですが、その歌詞に描かれているのは「徹底的に受動的な片思い」です。

自分からは声をかける勇気がないにもかかわらず、「偶然のハプニングで相手からぶつかってきてくれないか」「黒い車で連れ去ってしまおうか」といった突飛な妄想を繰り広げる主人公の心理は、一見すると滑稽でありながら、思春期特有の「プライドの高さと自信のなさの同居」を完璧に捉えています。清水依与吏自身も当時のメディアインタビューで語っていた通り、「カッコ悪い本音をこれ以上ないほどポップに鳴らす」というback numberの真骨頂が結実した一曲です。

「わたがし」:夏祭りの湿度と触れられない距離の美学

一方で、2012年に発表された「わたがし」は、夏祭りの一夜を舞台にした叙情的なミディアムバラードです。この楽曲の凄みは、「水色にはなびらの浴衣」を着た思い人との物理的・心理的距離の表現にあります。

「わたがしになりたい」という比喩は、一見すると可愛らしいフレーズに聞こえますが、その実態は「彼女の口元に触れたい」「彼女の世界の一部になりたい」という生々しくも切実な独占欲の昇華です。手をつなぐことすらできないもどかしさ、下駄の音や屋台の喧騒のなかで高鳴る鼓動など、五感を通じた精緻な心理描写が聴き手のノスタルジーを強く刺激します。

山口 彩花
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山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。