昭和のテレビカルチャーを語る上で欠かせないキャッチコピー 元ネタの原点は、1970年代後半に丸大食品が発売したチルドタイプの加工食品「丸大ハンバーグ」のプロモーションにあります。
当時、日本の高度経済成長に伴い、核家族化と都市化が急速に進行していました。それに伴い、子どもの教育環境は偏差値重視の「受験戦争」へと突入し、放課後は塾通いに追われ、運動不足や虚弱体質、いわゆる「もやしっ子」と呼ばれる子どもたちの増加が社会問題化していた時代です。
そうした張り詰めた空気感に対し、同社が打ち出したメッセージは極めてシンプルでありながら革命的でした。お行儀よく机に向かう優等生像ばかりをもてはやす風潮に疑問を投げかけ、「多少やんちゃで泥だらけになっても構わない。生命力にあふれ、心身ともに健やかに成長してほしい」という親たちの本音を代弁したのです。これがわんぱくでもいい 意味の本質であり、瞬く間に日本全国の茶の間に浸透していきました。
また、視覚的なインパクトも抜群でした。北欧や北米の大自然を思わせる森やログハウスのセット、焚き火でジュージューと音を立てて焼かれる肉厚のハンバーグ、そして子どもたちを見守る巨人の笑顔。家庭の食卓を手軽かつ豊かに彩るチルドハンバーグの利便性と、「健康な体づくり」という情緒的価値が見事に融合した広告戦略の勝利でした。