夜空を舞台に圧巻のスペクタクルを描き出したのは、三河花火の伝統を現代に受け継ぐ名門・加藤煙火株式会社だ。彼らの真骨頂である精緻な色彩変化と、間髪入れずに打ち込まれるスターマインが、渓谷状の瀬戸の地形に重低音を反響させる。炸裂音が胸の奥を激しく打つ。
単なる光のショーではない。一発ごとの火薬の調合、星の飛び散る軌跡、消え際の儚さに至るまで計算し尽くされた構成は、まさに芸術と呼ぶにふさわしい。陶芸作家たちが「火の神」に祈りを捧げるこの街で、花火職人が放つ火花もまた、魂を込めた作品として空に焼き付けられた。