グループの狂気と個性を象徴する上田竜也と、その暴走を冷静に見守り続けた中丸雄一。この対極的な2人の関係性もまた、KAT-TUNの伝説を語る上で欠かせないピースだ。ボクシングに打ち込み、やがて自他ともに認める「武闘派」として孤高のオーラを纏っていった上田に対し、中丸は一歩引いた視点からグループのバランスを取り続けた。
若き日の上田はまさに触れるもの皆傷つけるナイフのようだった。納得のいかないルールには真っ向から異を唱え、リハーサルでも己の美学を貫き通した。そんな猛獣たちの檻の中で、中丸は独自のユーモアと柔軟さでクッション役を引き受けていた。時にはメンバー同士の激しい衝突の間に入り、時には静かにその熱を冷ます。
一見すると水と油。だが、中丸という絶対的な調停者がいたからこそ、上田をはじめとするメンバーは限界までエゴを暴走させることができたのだ。単なる仲良しグループではない、互いの役割を無言のうちに理解し合っていたからこその絶妙なパワーバランスがそこにあった。