なぜニンニクと肉の組み合わせは、抗えない食欲を呼び覚ますのか。その鍵は洋食・肉料理の根幹を支える「メイラード反応」にある。肉のアミノ酸と糖が加熱によって結びつき、褐色色素と複雑な芳香成分を生み出す化学反応だ。
ガーリックソースを仕込む際、ニンニクに含まれる含硫化合物「アリシン」は加熱によって「ジアリルジスルフィド」などに変化し、甘く香ばしいアロマを放つ。これがステーキ表面の焦げ目から溶け出した肉汁と混ざり合うとき、味覚の受容体を強烈に刺激する相乗効果が完成する。ニンニクを焦がさず、きつね色になる寸前で火を止めてソースに旨味を移す温度コントロールこそ、科学が証明する美味しさの分水嶺である。