二人の原点は、1990年代半ばにさかのぼる。当時、TBSテレビの人気アナウンサーとして知的なリポートと明快な語り口で視聴者を魅了していた福島弓子。一方、オリックス・バファローズで日本中を熱狂させる社会現象を巻き起こしていた若き天才打者。ラジオ番組での共演を機に縮まった距離は、やがて太平洋を越える壮大な物語のプロローグとなった。
1999年、ロサンゼルス近郊で行われた結婚会見で、彼は「僕の好みを本当によく知っている」と語った。華やかなテレビの世界を潔く去り、異国の地で挑戦を続ける夫の影に回る決意をした彼女の覚悟は並大抵のものではない。プロ野球界のトップスターから、世界の頂点を目指す挑戦者へ。環境が激変するなか、彼女の存在こそが唯一の不変項だった。