現在でもネットの掲示板や検索ワード上で「ジュンク堂が栄の再開発ビルに復活する」「実は移転しただけで別の場所にある」といった噂が散見されます。しかし、これらの言説は業界構造の誤解から生じたデマであると断言できます。
なぜこのような噂が絶えないのか。その背景には、丸善とジュンク堂書店の両社が経営統合を経て誕生した「株式会社丸善ジュンク堂書店」のブランド使い分け戦略があります。全国的に同社は、総合的・文化的な街のフラッグシップには「丸善」の名を冠し、専門書特化型や駅前ビルテナントには「ジュンク堂書店」の名を充てるケースが多く見られます。
栄エリアにおいては、2015年に誕生した丸善名古屋本店こそが事実上の「ジュンク堂書店栄店の統合・発展先」であり、物理的な移転ではなく、ブランドとスタッフ、在庫管理ノウハウの集約が行われたというのが真実です。したがって、栄エリアに再び「ジュンク堂」という屋号で同規模の大型店が新規出店する可能性は、経営合理性の観点から極めて低いと言わざるを得ません。ファンが抱く「あの空間をもう一度」というノスタルジーが、「復活説」という形の都市伝説を生み出し続けているのです。