国会審議や世論で激しい批判を浴びたのが、政府による「実質的な追加負担は生じない(実質負担ゼロ)」という説明です。このロジックには、一般の家計感覚とは乖離した構造的なカラクリが存在します。
政府の主張の骨子は、「歳出改革(医療費の効率化や社会保障費の伸び抑制)と賃上げを進めることで、本来上昇するはずだった社会保険料負担が抑制される。その抑制された範囲内で支援金を徴収するため、国民全体の負担率は実質的に増えない」というものです。
しかし、これはあくまで「改革を行わなかった場合の将来予測」と比較した机上の計算に過ぎません。給与明細の天引き額という観点で見れば、保険料率が上乗せされる以上、個人の手取り額は確実に減少します。この説明の不透明さが、国民の不信感を招く大きな要因となりました。