音楽界のトップドラマーとして名を馳せた彼女が、なぜ女優業へと軸足を広げたのか。ネット上では「バンドの休止を機に転身したのではないか」といった憶測も見受けられますが、実際の経歴を紐解くと、芝居こそが彼女の「最初の表現の原点」であったことが分かります。
彼女の本名は佐藤穂奈美(さとう・ほなみ)。東京都出身で、中学生時代から芸能活動をスタートさせています。2002年には小学館『ちゃお』のアイドルコンテストで審査員特別賞を受賞し、子役・タレントとして映画や舞台、CMに出演していました。高校進学後に吹奏楽部やバンド活動を通じてドラムの魅力に目覚め、本格的な音楽の道へ進んだものの、本人の胸中には常に「演じること」への渇望が残り続けていたといいます。
当時のインタビューや特番で彼女自身が語った言葉には、その葛藤と決断の重みが如実に表れています。
「ドラムを叩いているときも、自分の中では一種の役を演じている感覚がありました。音楽で自己表現を突き詰める中で、もう一度全身を使って誰かの人生を生きる芝居の世界に本気で挑戦したいという思いが消えなかったんです」
2017年、大手芸能事務所への所属を発表し、本名である「さとうほなみ」名義で女優活動を本格再開。音楽の成功に安住せず、オーディションを地道に受け直して役を勝ち取っていく姿勢は、彼女の表現に対する誠実さを物語っています。