ネット上の情報で特に誤解が蔓延しているのが、他の税額控除・所得控除との関係性です。もっとも典型的なトラブルが医療費控除との併用時におけるワンストップ特例の「無効化」です。
医療費が年間10万円を超えたため確定申告を行おうとする際、すでに寄附先の自治体にワンストップ特例申請書を提出済みであっても、確定申告を行った瞬間にワンストップ特例は法的にすべて無効化されます。確定申告書を提出する場合、過去にワンストップ申請した分も含め、すべての寄附金受領証明書(または自治体発行の申告用XMLデータ)を確定申告書等作成コーナーで再度入力し直さなければなりません。この事実を知らず、医療費控除だけを申告してふるさと納税の入力を省いた結果、寄附金控除が丸ごと消滅する事態が多発しています。
また、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を併用している場合も注意が必要です。住宅ローン控除によってすでに所得税が全額還付されている納税者の場合、確定申告でふるさと納税を行うと、所得税枠からの還付が受けられず、住民税からの控除可能枠にも影響を及ぼす可能性があります(ただしワンストップ特例を利用すれば住民税から全額引かれるため有利になるケースがあります)。
そして、手続きを終えた後に最も重要なステップが住民税決定通知書の確認です。毎年5月から6月にかけて勤務先から配布される「給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」の「税額控除額」欄を必ず目視確認してください。
摘要欄に「寄附金税額控除:○○円」と記載されているか、あるいは税額控除の合計額が「寄附金合計額−2,000円」とおおむね一致しているかを検証します。自治体側の入力ミスや連携漏れによって控除が反映されていないケースはゼロではありません。この通知書を確認して初めて、ふるさと納税という一連の税制手続きは完結します。