「普段は静かなのに、雨が降るとキュルキュル鳴り出す」「エアコンのスイッチを入れた瞬間に異音が激しくなる」といった症状も非常に典型的なパターンです。これらには明確な物理的メカニズムが存在します。
まず雨の日の車のキュルキュル音は、路面からの跳ね水や湿気によってベルトとプーリーの間に水分が入り込み、摩擦係数が一時的に著しく低下することで発生します。本来、健全な張力と弾力を持つベルトであれば水分を押し出してグリップを保ちますが、表面が劣化したベルトは水膜によって簡単に滑ってしまいます。
一方、エアコンをつけるとキュルキュルと鳴き出すケースでは、エアコンのコンプレッサーが作動することでベルトに急激な物理的負荷が加わることが直接の引き金です。さらに見落とせないのがプーリーの異音と故障です。ベルトを支えるアイドラープーリーやテンショナープーリー内部のベアリング(軸受け)が摩耗・焼き付きを起こしていると、ベルト自体の状態に関係なくガラガラ音を伴う異音や激しい鳴きが発生し、最悪の場合はベルトを強制的に削り取ってしまいます。