調査が完了すると、委員会は「調査報告書」を作成し、企業へ提出します。原則としてこの調査報告書の公表は全文公開が求められ、個人情報や機密情報を除き、黒塗りなしで速やかにコーポレートサイト等で開示されるのが通例です。
ここで知っておくべきは、第三者委員会の報告書に裁判所判決のような「法的拘束力」はないという事実です。委員会は司法機関ではないため、直接誰かを法的に処罰したり、損害賠償を命じたりする権限は持ちません。
しかし、実質的な処分への影響力は極めて絶大です。報告書で不正への関与や監督責任を指摘された取締役は、辞任や解任に追い込まれるケースが大半を占めます。さらに、以下のような法的手続きの決定的な証拠資料として機能します。
- 役員に対する損害賠償請求(株主代表訴訟):報告書の事実認定が、善管注意義務違反を立証する強力な根拠となる。
- 行政処分・課徴金の判断材料:金融庁、公正取引委員会、消費者庁などが処分内容を決定する際の重要資料となる。
- 証券取引所の判断:特設注意市場銘柄への指定や、上場廃止の是非を審査する基準となる。