伊藤博文の千円札は、正式名称を「日本銀行券C号千円券」と呼びます。発行が開始されたのは1963年(昭和38年)11月1日で、1984年(昭和59年)11月1日に夏目漱石のD号千円券が登場するまでの約21年間にわたり製造されました(支払停止日は1986年1月4日)。
では、伊藤博文はなぜ千円札の肖像に選ばれたのでしょうか。主な理由は、初代内閣総理大臣や大日本帝国憲法の起草者として圧倒的な知名度を誇り、誰もが認める歴史的偉人であった点にあります。さらに技術的な側面として、伊藤博文の立派な顎髭や彫りの深い顔立ちが当時の印刷技術における「偽造防止の精密な凹版彫刻」に極めて適していたことも決定打となりました。
裏面には日本の象徴である日本銀行本店本館が堂々と描かれており、昭和の日本の威風を今に伝える格式高いデザインが特徴です。