駅前の大通りから一本入った陣屋や大町の路地。雑居ビルの隙間に、昼時になると静かに暖簾を掲げる店がある。派手な看板は一切ない。常連たちが吸い込まれるように暖簾をくぐっていく。これこそが、地元郡山で長年愛され続ける日本料理店の日常風景だ。
職人が毎朝市場で目利きする鮮魚の刺身定食や、注文が入ってから丁寧に揚げる天ぷら御膳。盆の上に並ぶ小鉢一つひとつに、季節の彩りと出汁の深みが宿る。米どころ福島が誇る炊きたての会津米が、素材の旨味をさらに引き立てる。1000円台半ばでこのクオリティを供する気概には、地方都市ならではの食の豊かさと職人の誇りが滲み出ている。