ロサンゼルス・ドジャースと結んだ10年総額7億ドルという天文学的な契約。その約97パーセントを契約終了後に受け取る「異例の後払い構造」は、球界の勢力図のみならずファンの心理にも巨大な波紋を広げた。
球団の贅沢税負担を軽減し、継続的な戦力補強を可能にするための戦略的選択だったが、他球団のファンから見れば「ルールの抜け穴を突いた狡猾なやり口」「巨大戦力を買い占める悪の帝国への加担」と映った。エンゼルス時代に持っていた「孤独に奮闘する孤高のサムライ」という物語は崩れ去り、強大な資本力を持つ常勝軍団の象徴として標的になったのだ。
「大谷は野球界を壊した」という極端な言説すら飛び交う。勝者であり、強者であり、富者であること。それ自体が、現代のスポーツシーンにおいてアンチを引き寄せる最大の磁石となってしまう皮肉がある。