2012年末、第2次安倍政権の発足とともに始動したアベノミクス。その構想段階において、故・安倍晋三首相の最も信頼厚いブレーンとして内閣官房参与を務めたのが本田悦朗氏だった。当時、日本を覆っていた「デフレは構造問題であり、金融緩和では解決できない」という諦念を、彼はマクロ経済学の正攻法で打ち破ってみせた。
とりわけ強烈だったのが、財務省主導の緊縮論や日本銀行の消極姿勢に対する徹底抗戦だ。本田氏は官邸の密室で安倍元首相に対し、大胆な金融緩和なくして名目成長の回復はあり得ないと説き続けた。その結果生まれたのが、世界を驚愕させた「異次元の金融緩和」である。通貨供給量を劇的に増やしてデフレマインドを払拭する試みは、株高と円安、そして雇用の劇的な改善という形で結実した。