この言葉をサブカルチャーの枠組みから一気に国民的流行語へ押し上げたのが、漫画家・東村アキコの手による名作『東京タラレバ娘』だ。講談社の『Kiss』にて連載された本作は、アラサー女性たちの切実なリアルを容赦ないユーモアで描き出し、女性漫画の歴史に強烈な足跡を刻んだ。
漫画業界において、当時の「共感系コメディ」の潮流を根底から覆したインパクトは計り知れない。「綺麗な服を着て集まり、居酒屋でタラレバばかり言っていたら、あっという間に30代後半」という鋭いナイフのような描写は、読者の胸を容赦なく抉った。単なるエンタメにとどまらず、世代を超えた生き方議論にまで発展した背景には、過剰な現実逃避に対する作家の温かくも冷徹な眼差しがあった。