本作を最高峰のアクションコメディたらしめているのは、1980年代の青春・スポーツ映画に対する徹底的かつ歪んだ愛情だ。シンセサイザーが鳴り響くハードロック調の劇伴、無駄にシリアスな特訓モンタージュ、そして大真面目に展開される奇妙な儀式。それらすべてが、ノスタルジーと純粋な悪ふざけの境界線を軽やかに飛び越えていく。
ロッドの繰り出すスタントは常に大失敗に終わり、肉体は容赦なく打ち砕かれる。しかし、痛々しさを感じさせない完璧に計算されたスラップスティックがあるからこそ、観客は心から笑うことができる。理屈を超えたフィジカルな笑いと、緻密に練られたバカバカしさが全編に満ちあふれているのだ。