2026年の夏、多くのファンが「今年こそは由比ヶ浜で水中花火が見られる」と期待を寄せていました。しかし、実行委員会が下した結論は「開催見送り」でした。その決定的な理由は、単一の要因ではなく複合的なコスト急増と安全面のリスクにありました。
最大の障壁となったのが、警備費用の記録的な高騰と警備員の確保難です。2026年は全国で数年ぶりに大規模イベントが一斉に再開された年であり、民間警備会社の人員確保競争が過熱しました。人件費や資材搬入費、安全柵の設置費用などが軒並み跳ね上がり、従来の予算規模では十分な警備体制を組むことが極めて困難な状況に陥ったのです。
さらに、物価高騰による花火玉自体の製造・運搬コストの増加も重なり、実行委員会が直面した資金難の現実は深刻でした。協賛金を募る地元企業もコロナ禍からの回復途上にあり、急膨張した開催予算を短期間で埋めることは現実的ではありませんでした。「観客の安全を万全に守れない状態で見切り発車することはできない」という主催者側の責任ある判断が、2026年の中止という苦渋の決断につながったのです。