草千里ヶ浜の観光が人々を魅了し続ける最大の理由は、約2万年から3万年前の火山活動によって形成されたダイナミックな火口地形と、そこに広がる穏やかな大草原のコントラストにあります。中央に佇む雨水由来の2つの大きな池には、青空や放牧された馬の姿が鏡のように映り込み、阿蘇ならではの雄大な叙事詩を目の前に描き出します。
この地が誇るもうひとつの醍醐味は、季節の移ろいによって全く異なる景観美を見せてくれる点です。春から夏(5月〜8月)にかけては、見渡す限りの鮮やかな緑絨毯が広がり、高原特有の爽快な風が吹き抜けます。初夏には天然記念物のミヤマキリシマが周辺の山肌を淡いピンクに染め上げます。
秋を迎えると表情は一変し、草千里ヶ浜のススキの見頃(9月下旬〜11月上旬)には、夕日に照らされた草原全体が黄金色の波のように揺らめきます。さらに、草千里ヶ浜の冬の雪景色(12月〜2月)は幻想的そのものです。池の水面が凍結し、烏帽子岳に白銀の雪化粧が施される姿は、南国・九州のイメージを覆す静寂と神秘に満ちています。