体験版をプレイする際、多くのゲーマーが最も気にかけるのが「このプレイ時間は製品版を買ったときに報われるのか」という点だろう。その懸念を完璧に解消したのが、セーブデータ引き継ぎ機能の実装だ。
代表的な成功例として挙げられるのが、株式会社スクウェア・エニックスが手掛けた名作ロールプレイングゲーム『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』である。同作の試遊版は、物語の序盤を10時間近くにわたって惜しげもなくプレイ可能にした上で、その進行状況をそのまま製品版へと持ち越せる仕様を採用した。プレイヤーは「お試し」のつもりで始めたはずが、いつの間にか壮大な冒険の当事者となり、愛着を持ったキャラクターたちと共に自然な流れで本編へと旅立っていく。時間の浪費を嫌う現代のユーザーにとって、この引き継ぎ設計は最もスマートで誠実なアプローチとなっている。