法的な雇用関係の観点から整理すると、派遣社員の直接の雇用主は派遣会社(派遣元)であり、派遣先企業とは雇用契約ではなく「指揮命令関係」にあるに過ぎません。したがって、履歴書の職歴欄に派遣元企業のみを記載し、派遣先企業名を明記しなかったとしても、労働契約法や民法上の観点から直ちに悪質な経歴詐称(虚偽申告)に問われる可能性は極めて低いというのが法曹関係者および労働法専門家の一致した見解です。 しかし、法的責任の有無と「企業の採用基準をクリアできるか」はまったく別の問題です。企業が中途採用で中核に据えるのは「過去にどの現場で、どんな実務を担い、自社で即戦力になり得るか」という一点に尽きます。派遣元のみを記した履歴書は、実質的に「何の仕事を経験してきたのか」を完全に遮断した書類とみなされ、採用側の心理としては「自社に隠したい重大なトラブルや短期離職があるのではないか」という疑念を抱かざるを得ません。 さらに警戒すべきは、故意に不都合な経歴を隠して「空白期間(ブランク)」に見せかけたり、正社員として勤務していたかのように誤認させる記載を行ったりするケースです。これは重大な信義則違反と評価され、最高裁判所の判例(炭研炭鉱事件など)に照らしても、企業が雇用契約を締結する上での「重大な要素に関する告知義務違反」と判断されるリスクを孕んでいます。法的な詐欺罪に該当せずとも、内定取消や試用期間中の解雇事由として正当化される危険性がある事実は直視しなければなりません。
履歴書に派遣先を書かないと経歴詐称?バレる決定打と2026年最新記載術
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