モデル時代の華やかなスポットライトを捨て、一般人として夫を支える道を選んだ彼女の決断は、並大抵のものではない。海外ツアーへの帯同、慣れない外国での生活、子育てと夫のケアの不眠不休の両立。そこには華やかさとは程遠い、泥臭い泥の中を歩むような日常が存在した。
彼女は自身のキャリアや過去の経歴に固執することなく、完璧なまでに「錦織圭の最良の理解者」へと自己を脱皮させた。この徹底したプロ意識とも言える専念ぶりが、コート上で戦う錦織にどれほど大きな安らぎを与えたかは計り知れない。コートを離れれば、一人の父親であり夫である自分に戻れる場所。それこそが、彼が激しいツアー生活を生き抜くためのシェルターとなったのだ。