光が強ければ影もまた濃い。実在のテニスコーチ、リチャード・ウィリアムズを泥臭く演じきった『ドリームプラン』で、ウィル・スミスは悲願だった主演男優賞を手にした。魂を削るような名演だった。貧困から娘たちを世界王者へと押し上げる頑迷な父親の姿に、世界中が心を震わせたはずだった。
しかし、栄光の夜は一転して映画芸術科学アカデミーを揺るがす未曾有の事態へと暗転する。あの瞬間以来、メディアの論調は激変した。それでも作品そのものが宿す純粋な熱量、役者としての底知れぬ凄みまでをも消し去ることはできなかった。過ちと非凡な才能。その両面を背負いながら歩み続ける姿に、生々しい人間味を見るファンは少なくない。