モールの応力円で挫折する理由とは?角度2倍の真相と主応力計算法

モールの応力円で挫折する理由とは?角度2倍の真相と主応力計算法

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モールの応力円で最も頻出する疑問であり、同時に最大の盲点となるのが「なぜ実空間の傾き$\theta$が、円上では$2\theta$として扱われるのか」という点です。ここを曖昧にしたまま公式だけを暗記しようとすると、主応力面と傾きの真相を見誤り、試験で致命的な失点を招きます。

この現象の種明かしは、応力の座標変換公式における「三角関数の倍角公式」にあります。二次元応力状態において、$x$軸から反時計回りに角度$\theta$傾いた傾斜断面に作用する垂直応力$\sigma_\theta$およびせん断応力$\tau_\theta$は、微小要素の力の釣り合いから次式で導出されます。

$$\sigma_\theta = \frac{\sigma_x + \sigma_y}{2} + \frac{\sigma_x - \sigma_y}{2}\cos 2\theta + \tau_{xy}\sin 2\theta$$

$$\tau_\theta = -\frac{\sigma_x - \sigma_y}{2}\sin 2\theta + \tau_{xy}\cos 2\theta$$

式を見れば一目瞭然であるように、断面の傾きを表す変数$\theta$は、すべて$2\theta$の引数として三角関数の中に組み込まれています。これは、微小要素を元の姿勢から$180^\circ$回転させると裏返しになって物理的に全く同じ応力状態が現れるという対称性に起因します。実空間での$180^\circ$回転が、応力空間上では円をぐるりと1周する$360^\circ$($2\pi$)に対応しなければならないため、幾何学的に角度が常に2倍スケールへと引き延ばされるわけです。

したがって、微小要素において最大主応力面が実空間で反時計回りに$\theta_p$傾いている場合、モールの応力円上では横軸(垂直応力軸)から反時計回りに$2\theta_p$回転した位置に主応力点が位置します。「実空間の角度を2倍して円上に移す」「円上で測った角度を半分にして現実の部材に戻す」という双方向の換算ルールこそが、作図の本質です。

渡辺 美咲
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渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。