ネット上の掲示板や知恵袋などでは「赤坂は夜の治安が悪いのではないか」「繁華街で怪しい店が多い」といった懸念が頻繁に書き込まれています。しかし、この言説には大きな地理的誤解が含まれています。
東京都港区赤坂の治安を分析する際、絶対に混同してはならないのが「丁目による環境の断絶」です。飲食店やバー、カラオケボックスが密集する赤坂2丁目・3丁目は、夕方以降に酔客や客引きが目立ち、夜間特有の喧騒があります。管轄する警視庁赤坂警察署の重点パトロールエリアでもあり、深夜のトラブル発生件数はこのブロックに集中しています。
ところが、赤坂通りを一歩越えて乃木坂方面へ向かう赤坂6丁目・7丁目・8丁目や、檜町公園に近接する9丁目エリアに足を踏み入れると、街の表情は一変します。各国大使館や赤坂御用地、勝海舟邸跡などの史跡が点在し、街頭防犯カメラの設置密度も極めて高いハイグレードな低層住宅地が広がっています。要人警護の警察官が各所に配置されているため、体感治安は都内でもトップクラスに安定しています。「赤坂=歓楽街」という一面的な見方は、限られた商業エリアの印象に引きずられた典型的な認知バイアスです。