国内外の著名人にもペスカタリアンの実践者は多く存在します。古くはアップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が厳格な菜食と魚食を行き来していたことで知られ、ポップスターのアリアナ・グランデ氏も体調管理の観点からヴィーガンと魚食を柔軟に選択してきた経緯が報じられています。日本国内でもモデルや俳優が体質改善を機に魚中心の食生活をSNSで発信し、トレンドを牽引してきました。 しかし、華やかなイメージの裏側で、途中で継続を断念する人々も後を絶ちません。SNSや生活相談掲示板に投稿された「やめた理由」を分析すると、日本特有の社会環境が浮き彫りになります。
「外食の壁」と「人間関係の摩擦」によるリタイア
断念した元実践者の証言からは、個人の意志の強さとは無関係な「外部要因」が浮き彫りになります。
「友人との飲み会や会社の歓送迎会で、焼き肉店や居酒屋のコース料理になると食べるものが枝豆とフライドポテトくらいしかなくなる。周囲に『気を遣わせてしまっている』という罪悪感に耐えられなくなった」(30代会社員・手記より)
「和食店なら刺身や焼き魚があるから安心だと思っていたが、ランチタイムの定食は豚汁や肉小鉢がセットになっていることが多い。コンビニでも手軽なおにぎりはツナやサケで対応できるものの、総菜の選択肢が限られて次第に食費が跳ね上がった」(20代クリエイター・SNS投稿より)
日本の外食産業では、一見ヘルシーに見える料理であっても、炒め油にラードが使われていたり、スープのベースに豚骨や鶏ガラエキスが多用されていたりします。これらをどこまで厳密に排除するかで思い悩み、会食恐怖や孤立感を覚えて通常の食生活に戻るケースが極めて目立ちます。