北見といえば、誰しもが思い浮かべるのがどこまでも広がるタマネギ畑だ。日本国内で生産されるタマネギの約2割を占めるこの巨大産地で、地元の職人たちは長年、スープへの活用方法を試行錯誤してきた。これまでのタマネギ系ラーメンといえば、乾燥パウダーやフライドオニオンをトッピングする手法が主流だった。しかし、現在の北見で起きている進化は次元が違う。
「生の北見産タマネギを何時間も煮込み、その水分と糖度だけで豚骨や鶏ガラの角を削ぎ落とす」。ある老舗の店主はそう語る。熱を加えることでタマネギの糖度はフルーツ並みに跳ね上がる。その自然な甘みが、醤油の尖った塩分や味噌の強いコクと合体したとき、他では絶対に味わえない唯一無二のマイルドで深いスープが完成するのだ。一口飲めば、化学調味料では絶対に表現できない旨味の余韻が口いっぱいに広がる。