新宿御苑の歩みは、日本のランドスケープ史そのものと言っていい。慶長年間に内藤清成が拝領した下屋敷は、明治に入ると農業振興のための試験場となり、やがて皇室のための庭園へと姿を変えた。そして戦後、国民公園として広く一般に開かれた歴史を持つ。
園内には、整形式のフランス式整形庭園、広大な芝生が広がるイギリス風景式庭園、そして伝統的な日本庭園が見事な調和を保ちながら共存している。この卓越したレイアウトを支えるのが、日本の都市公園・造園業の職人たちによる日々の剪定と土壌改良だ。環境省と一般財団法人国民公園協会が連携し、病害虫から古木を守りつつ、次世代の桜を育てる地道な営みがあるからこそ、私たちは今、息をのむような桜のトンネルを歩くことができる。