マッチポンプ(match pump)という言葉は、英語圏に存在する表現ではなく、完全な和製日本語(造語)です。「火をつけるためのマッチ」と「消火用の水ポンプ」という相反する2つの道具を組み合わせた比喩表現として誕生しました。
この言葉が世間に広く定着したきっかけは、1966年(昭和41年)の第52回国会における政治腐敗追及(いわゆる黒い霧事件前後)とされています。当時の政治家が、企業や団体に対して自らスキャンダルや圧力を仕掛け(マッチで放火)、困り果てた相手から相談を受ける形で「自分が間に入って解決してやろう」と仲介料や政治献金、票を巻き上げた(ポンプで消火)実態が暴露され、マスコミ各社が大々的に報道しました。
日常会話やビジネスシーンにおける主な使い方としては、以下のような例文が挙げられます。
- 「セキュリティ上の不安を過度に煽って自社ソフトを売り込む手法は、典型的なマッチポンプと言わざるを得ない」
- 「自分で社内トラブルの火種を撒いておきながら、自分が率先して収拾し評価を上げようとする上司がいる」
- 「規制を強化して業界に打撃を与え、緩和の陳情を受けて恩を売る政治家のマッチポンプ体質が批判を浴びた」